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全体 記事一覧【タイトルのみ】 認知言語学 認知科学 認知心理学 言語学 応用言語学 言語心理学 生成文法 記号論・レトリック 社会言語学・語用論 形態論 日本語 文化人類学 辞書学 書籍・雑誌 用語・人名 シラバス 思考法・論文執筆 未分類 メモ帳
●刊行待ちの書籍 <研究社近刊> ▼「講座:認知言語学のフロンティア」全6巻は、あと1冊。 ■構文ネットワークと文法——認知文法論のアプローチ <大修館書店近刊> ▼『ことばの背景』野村雅昭著 46版 208頁 予価1200円 2009/04販売予定 ISBN:978-4469222012 ▼『認知文法論〈1〉』(西村義樹編)。いよいよ本書でシリーズ完結となります。刊行日不明(2010年?)。 ▼日本語文法学会編『日本語文法事典』刊行日未定⇒2010年に刊行予定らしい。 <ひつじ書房近刊> 【ひつじ書房20周年記念】意味論講座【編者】澤田治美 2010年初夏、刊行開始。全7巻・各巻12章構成・各巻予価3,800円 第1巻 語・文と文法カテゴリーの意味、第2巻 構文と意味、第3巻 モダリティI:理論と方法、第4巻 モダリティII:事例研究、第5巻 主観性と主体性、第6巻 意味とコンテクスト、第7巻 意味の社会性 <開拓社近刊> <くろしお出版近刊> <岩波書店近刊> <朝倉書店近刊> 『日本語学大事典』2007/12刊行予定⇒2010年中に刊行予定らしい。 出版社 研究社 大修館 岩波くろしお ひつじ 開拓 Routledge Blackwell John Benjamins Walter de Gruyter OUP CSLI CUP MIT EUP UCP SAGE 言語学出版社フォーラム 論文・書誌検索 GeNii [ジーニイ]学術情報ポータル 関連サイト エディテック[EdiTech]editechの正室サイト editechの連絡先 editech☆excite.co.jp☆を@に修正してください。 言語学・認知科学関連リンク G.F.S.S.東京言語学コロキウム 関東日本語談話会 三省堂「言語学大辞典」全文データベース オンライン学術用語集 ![]() はてなリング ![]() ことばのSNS「コトバラ」 ![]() Webスカウター ブックマークカウンター お気に入りブログ
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1 2006年 04月 03日
認知言語学特論・演習 2005年度
日時 毎週火曜日7・8時間目(続いて9・10時間目にMDゼミがあります) 場所 共通講義棟1号館404号室 担当 森山新(文教1−1階3号室) http://jsl.li.ocha.ac.jp/morishin1003/ 授業内容:近年注目を浴びつつある認知言語学について知り、第二言語習得研究や日本語教育研究に生かす。 主教材:『認知言語学の基礎』(研究社) 参考図書:『認知と第二言語習得』(図書出版啓明)他 1 4月19日 講義紹介、概論 2 4月26日 知覚の理論と認知言語学(第1章) 『認知言語学の基礎』 3 5月10日 カテゴリー理論と習得(第2章) 『認知言語学の基礎』 4 5月17日 認知能力としてのメタファー・メトニミー(第2章)『認知言語学の基礎』 5 5月24日 Langackerの理論(第2章) 『認知言語学の基礎』 6 5月31日 Lakoffの理論(第2章) 『認知言語学の基礎』 7 6月07日 語彙の意味と習得研究(第3章) 『認知言語学の基礎』 8 6月14日 語彙の意味と習得研究(第3章) 『認知言語学の基礎』 9 6月21日 語彙の意味と習得研究(第3章) 『認知言語学の基礎』 10 6月28日 構文研究:事態把握(第4章) 『認知言語学の基礎』 11 7月05日 構文研究:繰り上げ構文(第4章) 『認知言語学の基礎』 12 7月12日 構文研究:there構文(第4章) 『認知言語学の基礎』 13 7月19日 まとめ 14 10月04日 文法化(第5章) 『認知言語学の基礎』 15 10月11日 主体化(第5章) 『認知言語学の基礎』 16 10月18日 『日本語学への招待』(1) 『日本語学への招待』 17 10月25日 『日本語学への招待』(2) 『日本語学への招待』 18 11月01日 Tomasello(2003) (1) 『Constructing a Language』 19 11月08日 Tomasello(2003) (2) 『Constructing a Language』 20 11月15日 Lakoff事例研究「怒り」 21 11月22日 日本語格助詞の認知言語学的研究(1) 22 12月06日 日本語格助詞の認知言語学的研究(2) 23 12月13日 日本語格助詞の認知言語学的研究(3) 24 12月20日 日本語格助詞の認知言語学的研究(4) ▲
by editech
| 2006-04-03 00:00
| シラバス
2006年 04月 02日
■ 授業科目名 言語学演習 [2006年]
■ キーワード 認知言語学 ■ 担当教員 谷口 一美 助教授(大阪教育大学) ■ 曜日時限 火4 ■ 開講期 通年 ■ 授業の到達目標 認知言語学の基本的な考え方を学ぶことにより、これまでに習ってきた英語の文法的事象や表現などについて、新しい観点で捉える共に、ことばに関するさまざまな現象への興味関心および洞察力を深める。 ■ 授業の概要 認知言語学は、言語とそのほかの認知的作用(知覚、注意、推論、記憶など)との関わりを重要視し、文法や意味のメカニズムを明らかにしようとするものである。どのようにして認知的作用が言語現象に反映されているかを示しながら、認知言語学の基礎を学んでいきたい。 ■ 授業の計画 第1回 イントロダクション 第2回 言語学と心理学の関わり(1)(プリント配布) 第3回 言語学と心理学の関わり(2)(プリント配布) 第4回 言語学と心理学の関わり(3)(プリント配布) 第5回 カテゴリー化(1)(テキスト第3章) 第6回 カテゴリー化(2)(テキスト第4章) 第7回 カテゴリー化(3)(テキスト第5章) 第8回 カテゴリー化(4)(テキスト第6章) 第9回 認知文法と構文(1)(テキスト第8章) 第10回 認知文法と構文(2)(テキスト第8章) 第11回 認知文法と構文(3)(テキスト第9章) 第12回 認知文法と構文(4)(テキスト第9章) 第13回 事例研究(1)(プリント配布) 第14回 事例研究(2)(プリント配布) 第15回 試験 第16回 認知意味論(1)(テキスト第11章) 第17回 認知意味論(2)(テキスト第11章) 第18回 認知意味論(3)(プリント配布) 第19回 認知意味論(4)(プリント配布) 第20回 認知意味論(5)(プリント配布) 第21回 ことばの意味変化(1)(テキスト第13章) 第22回 ことばの意味変化(2)(テキスト第13章) 第23回 ことばの意味変化(3)(プリント配布) 第24回 ことばの意味変化(4)(プリント配布) 第25回 多義性(1)(テキスト第10章) 第26回 多義性(2)(テキスト第10章) 第27回 事例研究(1) 第28回 事例研究(2) 第29回 事例研究(3) 第30回 試験 ■ テキスト及び参考文献 ☆吉村公宏『はじめての認知言語学』研究社(2001)[4-327-42165] ▲
by editech
| 2006-04-02 00:00
| シラバス
2006年 04月 01日
授業科目:言語文化研究I (国際理解コミュニケーション研究I) [2006年]
教員名:吉村公宏 教授(奈良教育大学) 本授業の達成目標は、下記の3点である。 1. 認知言語学(Cognitive Linguistics)の基本概念を身に付ける。 2. 1.の理論をもとに文化と言語の関係を考察する力を付ける。 3. 英語で書かれた基礎文献を読みこなす力を付ける。 目的: 専門科目としての位置づけから、主として英語・日本語を題材として言語一般の本質と働きにかかわる考察を深める力を養う。あわせて専門的な英語文献の読み方、論文への応用の仕方を体得する。 1 授業の方針・ねらい・進め方・評価法を説明します。 2 「言語学」とは何か。なにをどうする学問なのか。 3 「認知」とは何か。 4 「認知言語学」とは何か。何が目標なのか。 5 「カテゴリー化(categorization)」とは何か。 6 「プロトタイプ(prototype)」とは何か。 7 「家族的類似性」とは何か。 8 「スキーマ」の理解と応用。 9 「言語カテゴリー」の導入と解説。 10「他動性」と「動作主」の関わり。 11「構文(construction)」を考える。 12「多義性(polysemy)」を味わい楽しむ。 13「メタファー」と「メトニミー」 14 認知言語学と文化学(まとめ) 15 最終試験 授業計画(内容と方法) テキスト 吉村公宏 『はじめての認知言語学』研究社 2004 以下、参考図書 John R. Taylor 『Cognitive Grammar』Oxford University Press 2002 辻 幸夫編 『認知言語学キーワード事典』研究社 2004 ▲
by editech
| 2006-04-01 00:00
| シラバス
2006年 03月 21日
●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2006年)
http://www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html#naiyou 認知言語学Ⅰ(文法と意味) (月・午後6時〜7時20分) 西村 義樹(東京大学助教授) 文法と意味の関係をめぐる諸問題を扱ったLyons (1977)の三つの章は、これらの問題に対してこの著者ならではの(三十年近くが経過した今日でも全く古びていない)優れた見通しを与えてくれるのみならず、現代の認知言語学に特徴的な考え方の多くを先取りしている。今年度は、この卓越した議論を導きの糸として文法と意味との関係を認知言語学(とりわけ認知文法)の立場から多角的に考察する。検討する問題には、文法性(grammaticality)と有意味性(meaningfulness)の関係、文法カテゴリー(名詞、動詞など)の意味的な基盤、使役性(causativity)と他動性(transitivity)、意味役割、文法関係などが含まれることになろう。各々の問題に関して、それを扱った認知言語学(および場合によっては他の理論)の代表的な研究も紹介する予定である。認知言語学に関する専門的な予備知識は前提とせず、必要に応じて基本的な概念や道具立ての説明を行う。基本文献リストは初回に配布する。 <テキスト> John Lyons (1977) Semantics 2. Cambridge University Press. (授業で用いる10, 11, 12章のマスターコピーはこちらで用意する。) <参考書> John R. Taylor (2002) Cognitive Grammar. Oxford University Press. 語用論 (月・午後7時30分〜8時50分) 西山 佑司(4月より、明海大学教授) われわれは言葉を用いて情報を伝達するが、そこで用いられた言葉の意味は、伝達内容という点ではきわめて不完全である。人間は、なぜかくも不完全な言葉を用いて自分の意図を相手に伝達することが可能であるのかという問題を、現代語用理論として注目を浴びている関連性理論(Relevance Theory)の立場から論じる。とくに、(i)文の意味と発話の解釈はどのような関係にあるのか、(ii)話し手が明示的に言っている内容と暗に意味している内容との違いは何か、(iii)発話解釈を背後で支配している原理や法則は存在するのか、(iv)単語の辞書的意味のなかに語用論的側面がどこまで侵入しているか、(v)アイロニー、メタファー、メトニミーに対する解釈はいかにして可能となるか、(vi)文法能力、語用論能力、心を読む能力の関係は何か、といった問題を具体例で検討する。本講義を通して、言語研究全体のなかでの語用論の位置づけを正しく理解していただく。意味論や語用論についての予備知識は必要としない。当方でハンドアウトを用意する。英文のモノグラフを読んでいただくこともある。 <参考文献> (1)西山佑司「語用論の基礎概念」田窪行則・西山佑司他共著『談話と文脈』(岩波講座 言語の科学7巻)岩波書店2004年。 (2)西山佑司『日本語名詞句の意味論と語用論─指示的名詞句と非指示的名詞句─』ひつじ書房2003年。 言語学特殊講義(自然と文化の記号論) (火・午後6時〜7時20分) 池上 嘉彦(昭和女子大学教授・東京大学名誉教授) 「自然と文化の記号論」? いったい何をするのだろう? ──まずは、このような好奇心をもってのぞいて下さればよいのではないかと思います。一つだけ加えておいてよければ、「記号」という用語の呪縛から自らを解き放つこと。「記号論」という名称からして、「記号」が対象とされるのは当然です。しかし、現代的な意味での「記号論」の関心は、簡略さや利便性を追求しての背番号的な記号でもないし、また、抽象化と厳密さを意図しての形式論理学におけるような記号表記のことでもありません。もっとしなやかな概念なのです。一般に、「記号」は何かを表わし、私たちはそこから何らかの「意味」を読みとります。つまり、そこから何らかの「意味」が読みとられれば、それはすべて「記号」なのです。例えばたまたま目にとまった花や落ちていく一枚の枯葉も、私たちにさまざまな「意味」を読みとらせます。そのような折、私たちは単なる「モノ」や「コト」を意味ある「記号」に仕立て上げているわけです。同じ「モノ」や「コト」であっても、接する人が違い、場面が違うならば、発生させられる意味もさまざまです。「文化」はそのような人間の創造的な営みによって生み出されます。 それに、意味を読みとる営みは、人間に限られることではありません。動物でも植物でも、あらゆる生物体は自らの環境の中で感知できる限りの刺激の意味を読みとり、それにふさわしい反応をすることによって生存しているわけですし、生物体を構成する組織(例えば免疫システム)のレベルでも同様の図式で捉えうる記号過程が起こっているはずです。「意味」を読みとる(「記号」として捉える)という過程は、自然界における生命の営みの証しである──これが現代の「記号論」の認識なのです。 一口で言えば、対象を認知意味論での「言語」に限らず、あらゆる「(記号として捉えられうる)モノ/コト」に、意味を読みとる主体を人間に限らず、あらゆる生物体、生命体にまで拡げたものと考えていただいてもよいでしょう。また、「文化研究」の基礎理論になるのはもちろんです。 〈テキスト〉池上嘉彦『自然と文化の記号論』(日本放送出版協会、2002)〔2002〜05年度放送大学テレビ番組として放映科目の印刷教材。ビデオは希望者に各自コピーして適時見てもらうこととして、授業は印刷教材作成の際の資料等を参照しながらの講義形式。印刷教材の目次は東京言語研究所ホームページ参照。〕 <参考書> 池上嘉彦『記号論への招待』(岩波新書)、池上嘉彦・山中桂一・唐須教光『文化記号論への招待』(講談社学術文庫)、池上嘉彦『語学と文化記号論』(講談社学術文庫)、T. A. シービオク『自然と文化の記号論』(勁草書房)、J. von. ユクスキュル『生物から見た世界』(思索社)、J. ホフマイヤー『生命記号論』(青土社)、など。 認知言語学Ⅱ(認知意味論と類型論) (水・午後6時〜7時20分) 大堀 壽夫(東京大学助教授) 本講義では、意味論の諸問題について、認知的アプローチによって考察する。前期は意味論一般の背景をサーベイした後、認知意味論の主要概念(フレーム、プロトタイプ、基本レベル、概念マッピング、参照点構造、意味役割など)を具体例の分析を通じて解説する。教科書(大堀)は使うが、時に応じてより入門的なもの(吉村など)や、定評ある意味論の概説書(Cruseなど)を補助的に使う予定である。重要な古典的著作(Fillmoreなど)も時に応じて取り上げる。後期はより新しい研究動向を(空間認知、語彙習得、移動事象の語彙化と拡張、物語理解など)検討する。特に、言語と思考の関係における「写像の問題」に注目したい。個別言語によって構成される意味の世界と、普遍的な概念構造(あるいは「思考の言語」)の対応関係はシンプルではなく、より精密な分析が求められる。そのために類型論的な視点を取り入れる。通俗的な形でのサピア=ウォーフの仮説(言語決定論)は批判的に取り上げることになるが、その現代的な意義を問い直す作業は今なお必要であると考える。なお、特にこの分野についての予備知識は前提としない。 <教科書> 大堀壽夫『認知言語学』、東京大学出版会 <参考書> 松本曜(編)『認知意味論』、大修館 吉村公宏『はじめての認知言語学』、研究社 A. Cruse. 2004. Meaning in Language : An Introduction to Semantics and Pragmatics. OUP. W. Frawley. 1992. Linguistic Semantics. LEA C. J. Fillmore. 2003. Form and Meaning in Language : Papers on Semantic Roles. CSLI. J. Lyons. 1977. Semantics 2 vols. CUP. L. Talmy. 2000. Toward a Cognitive Semantics. MIT Press. 他 ▲
by editech
| 2006-03-21 00:00
| シラバス
2006年 02月 21日
●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2006年)
http://www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html#naiyou ─── 認知言語学Ⅰ(文法と意味)(月・午後6時〜7時20分) 西村 義樹(東京大学助教授) 文法と意味の関係をめぐる諸問題を扱ったLyons (1977)の三つの章は、これらの問題に対してこの著者ならではの(三十年近くが経過した今日でも全く古びていない)優れた見通しを与えてくれるのみならず、現代の認知言語学に特徴的な考え方の多くを先取りしている。今年度は、この卓越した議論を導きの糸として文法と意味との関係を認知言語学(とりわけ認知文法)の立場から多角的に考察する。検討する問題には、文法性(grammaticality)と有意味性(meaningfulness)の関係、文法カテゴリー(名詞、動詞など)の意味的な基盤、使役性(causativity)と他動性(transitivity)、意味役割、文法関係などが含まれることになろう。各々の問題に関して、それを扱った認知言語学(および場合によっては他の理論)の代表的な研究も紹介する予定である。認知言語学に関する専門的な予備知識は前提とせず、必要に応じて基本的な概念や道具立ての説明を行う。基本文献リストは初回に配布する。 <テキスト> John Lyons (1977) Semantics 2. Cambridge University Press. (授業で用いる10, 11, 12章のマスターコピーはこちらで用意する。) <参考書> John R. Taylor (2002) Cognitive Grammar. Oxford University Press. ─── 言語学特殊講義(自然と文化の記号論)(火・午後6時〜7時20分) 池上 嘉彦(昭和女子大学教授・東京大学名誉教授) 「自然と文化の記号論」? いったい何をするのだろう? ──まずは、このような好奇心をもってのぞいて下さればよいのではないかと思います。一つだけ加えておいてよければ、「記号」という用語の呪縛から自らを解き放つこと。「記号論」という名称からして、「記号」が対象とされるのは当然です。しかし、現代的な意味での「記号論」の関心は、簡略さや利便性を追求しての背番号的な記号でもないし、また、抽象化と厳密さを意図しての形式論理学におけるような記号表記のことでもありません。もっとしなやかな概念なのです。一般に、「記号」は何かを表わし、私たちはそこから何らかの「意味」を読みとります。つまり、そこから何らかの「意味」が読みとられれば、それはすべて「記号」なのです。例えばたまたま目にとまった花や落ちていく一枚の枯葉も、私たちにさまざまな「意味」を読みとらせます。そのような折、私たちは単なる「モノ」や「コト」を意味ある「記号」に仕立て上げているわけです。同じ「モノ」や「コト」であっても、接する人が違い、場面が違うならば、発生させられる意味もさまざまです。「文化」はそのような人間の創造的な営みによって生み出されます。 それに、意味を読みとる営みは、人間に限られることではありません。動物でも植物でも、あらゆる生物体は自らの環境の中で感知できる限りの刺激の意味を読みとり、それにふさわしい反応をすることによって生存しているわけですし、生物体を構成する組織(例えば免疫システム)のレベルでも同様の図式で捉えうる記号過程が起こっているはずです。「意味」を読みとる(「記号」として捉える)という過程は、自然界における生命の営みの証しである──これが現代の「記号論」の認識なのです。 一口で言えば、対象を認知意味論での「言語」に限らず、あらゆる「(記号として捉えられうる)モノ/コト」に、意味を読みとる主体を人間に限らず、あらゆる生物体、生命体にまで拡げたものと考えていただいてもよいでしょう。また、「文化研究」の基礎理論になるのはもちろんです。 〈テキスト〉池上嘉彦『自然と文化の記号論』(日本放送出版協会、2002)〔2002〜05年度放送大学テレビ番組として放映科目の印刷教材。ビデオは希望者に各自コピーして適時見てもらうこととして、授業は印刷教材作成の際の資料等を参照しながらの講義形式。印刷教材の目次は東京言語研究所ホームページ参照。〕 <参考書> 池上嘉彦『記号論への招待』(岩波新書)、池上嘉彦・山中桂一・唐須教光『文化記号論への招待』(講談社学術文庫)、池上嘉彦『語学と文化記号論』(講談社学術文庫)、T. A. シービオク『自然と文化の記号論』(勁草書房)、J. von. ユクスキュル『生物から見た世界』(思索社)、J. ホフマイヤー『生命記号論』(青土社)、など。 ─── 認知言語学Ⅱ(認知意味論と類型論)(水・午後6時〜7時20分) 大堀 壽夫(東京大学助教授) 本講義では、意味論の諸問題について、認知的アプローチによって考察する。前期は意味論一般の背景をサーベイした後、認知意味論の主要概念(フレーム、プロトタイプ、基本レベル、概念マッピング、参照点構造、意味役割など)を具体例の分析を通じて解説する。教科書(大堀)は使うが、時に応じてより入門的なもの(吉村など)や、定評ある意味論の概説書(Cruseなど)を補助的に使う予定である。重要な古典的著作(Fillmoreなど)も時に応じて取り上げる。後期はより新しい研究動向を(空間認知、語彙習得、移動事象の語彙化と拡張、物語理解など)検討する。特に、言語と思考の関係における「写像の問題」に注目したい。個別言語によって構成される意味の世界と、普遍的な概念構造(あるいは「思考の言語」)の対応関係はシンプルではなく、より精密な分析が求められる。そのために類型論的な視点を取り入れる。通俗的な形でのサピア=ウォーフの仮説(言語決定論)は批判的に取り上げることになるが、その現代的な意義を問い直す作業は今なお必要であると考える。なお、特にこの分野についての予備知識は前提としない。 <教科書> 大堀壽夫『認知言語学』、東京大学出版会 <参考書> 松本曜(編)『認知意味論』、大修館 吉村公宏『はじめての認知言語学』、研究社 A. Cruse. 2004. Meaning in Language : An Introduction to Semantics and Pragmatics. OUP. W. Frawley. 1992. Linguistic Semantics. LEA C. J. Fillmore. 2003. Form and Meaning in Language : Papers on Semantic Roles. CSLI. J. Lyons. 1977. Semantics 2 vols. CUP. L. Talmy. 2000. Toward a Cognitive Semantics. MIT Press. 他 ▲
by editech
| 2006-02-21 00:00
| シラバス
2005年 02月 21日
●東京大学 文学部 言語学研究室 授業内容(2006年)
http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp/naiyou2006.html 科目名 言語学特殊講義「認知文法入門 (I) / (Ⅱ)」 担当教員 西村 義樹 学期: 夏・冬 2単位曜日・時限 金4 下記の書物を教科書にして、認知文法への導入を試みる。重要なテーマについては他の文献も併用する。教科書以外の文献のマスター・コピーはこちらで用意する。評価は平常点とレポートによる。 教科書: David Lee (2002) Cognitive Linguistics: An Introduction. Oxford University Press. 科目名 言語学演習「認知文法研究 (I) / (Ⅱ)」 担当教員 西村 義樹 学期: 夏・冬 2単位曜日・時限 金5 下記の書物を教科書にして、認知文法の言語理論における位置づけ、理論的基盤と特徴、この理論による重要な言語現象の具体的分析、等を詳しく検討する。テーマによっては他の文献も併用する。教科書以外の文献のマスター・コピーはこちらで用意する。評価は平常点とレポートによる。 教科書:J. R. Taylor (2002) Cognitive Grammar. Oxford University Press. 科目名 言語学特殊講義 「日本語文法研究−言語学として、語学教育として−」 担当教員 菊地 康人 学期: 夏冬 4単位 曜日・時限 火2 個々の語の用法や構文の成立条件を分析し、正確にとらえる(過不足なく記述する)ことは、どの言語でも意外に難しいものだが、日本語では助詞・助動詞・補助動詞・評価副詞等について特にそれが顕著である(たとえば「は」と「が」はどう違うか)。私の授業では例年そのような話題を幾つか取り上げ、ことばの魅力と奥深さを味わいながら、ことばを分析するセンスを磨く(できれば理論化につなげる)ことを目的としているが、本年度も、具体例を変えて、こうした趣旨の授業を行う。例としては、「のだ」、受身、その他いろいろな可能性を考えているが、学生諸君の関心も考慮に入れて決める。 あわせて、言語学としての文法研究と、語学教育(日本語を母語としない人に対する日本語教育)に資するための文法研究とでは、違う観点が要求されるところがあるので、これについても触れ、後者のあり方を考えることも、目標の一つとする。 講義形式だが、学生諸君からの発言を歓迎し、ともに考えていく授業にしていきたい。予備知識は多くを求めないが、十分に出席することと、自分で言語現象を観察・分析する意欲をもつことは、受講の必須条件である。教科書は特に使わない予定。 科目名 言語学特殊講義 「生態心理学から見た言語」 担当教員 本多 啓 学期: 夏 2単位曜日・時限 月4 言語と認知の関係について、生態心理学(アフォーダンス理論)の観点から検討する。生態心理学にの諸概念については授業で解説するので予備知識は必要としない。授業では、日本語と英語の諸現象を取り上げる。具体的には、言語における「自己」の表現機構と視点論、英語の中間構文・主体移動表現・知覚動詞構文、時間表現と空間表現の相互浸透、「する」言語としての英語・「なる」言語としての日本語と「自己」の関係、可能表現、接続助詞「から」の文法化と言語行為の相互行為性の関係、現象描写文と共同注意の関係、などについて触れる予定である。 授業は講義形式だが、授業内小課題を実施することがある。教科書は指定しないが、講義内容は『アフォーダンスの認知意味論』(本多啓、東京大学出版会)に基づいたものになる予定である。成績評価は(確定受講者数によって変わる可能性もあるが)授業内小課題と期末試験による予定。 ●東京大学 文学部 言語学研究室 授業内容(2005年) http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp/naiyou2005.html 科目名 言語学演習「認知文法研究(I)」「同(II)」 担当教員 西村 義樹 学期: 夏/冬 2単位 曜日・時限 金3 下記の書物を教科書にして、認知文法の言語理論における位置づけ、理論的基盤と特徴、この理論による重要な言語現象の具体的分析、等を詳しく検討する。テーマによっては他の文献も併用する。評価は平常点とレポートによる。 教科書:R. W. Langacker (1990) Concept, Image, and Symbol. Mouton de Gruyter. 参考書:J. R. Taylor (2002) Cognitive Grammar. Oxford University Press. 科目名 言語学特殊講義「機能的構文論研究」 担当教員 高見 健一 学期: 夏 2単位 曜日・時限 集中 この授業では、言語研究を行なう際、文の構造だけでなく、文の意味や機能、情報構造や談話等を考慮することがいかに重要であるかを、英語と日本語の様々な現象を通して明らかにする。受身文、使役文、関係節、There 構文、移動現象、「〜ている」構文、結果構文などを考察し、生成文法のアプローチ、語彙意味論的アプローチ、そして機能的構文論のアプローチを比較検討する。そして、これらの構文の適格性を説明する上で、どのようなアプローチが多くの例をもっとも的確に捉えられるかを議論しながら授業を進める。また、近年盛んに議論されている非対格性/非能格性についても考察する。授業で次の本をテキストとして使用する。 ・高見健一 (2001) 『日英語の機能的構文分析』(鳳書房) ●東京大学 文学部 言語学研究室 授業内容(2004年) http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp/naiyou2004.html 科目名 言語学特殊講義(I) 「認知文法入門」 担当教官 西村 義樹 学期: 夏 2単位 曜日・時限 金2 Ronald. W. Langackerの認知文法への導入を行いつつ英語で書かれた言語学の書物や論文(Langacker、John R. Taylorなどのもの)を速く正確に読む力の養成を目指す授業。比較のために、生成文法の本質を見通しよく論じた(Chomsky、Pinkerなどの)文章も合わせて読む。言語理論に関する知識は前提にしないが,授業への積極的な参加と数回の課題の提出が求められる。授業で読む文献のマスター・コピーはこちらで用意する。 科目名 言語学特殊講義(II) 「言語とカテゴリー化」 担当教官 西村 義樹 学期: 冬 2単位 曜日・時限 未定 下記の書物(昨年出版された第3版)をテキストにして、言語とカテゴリー化の関係を多角的に考察する。最初の数回で認知言語学を初めて本格的に学ぶ人たちのためにこの理論の全体像を簡単に紹介した後に、テキストに沿って話を進める。特に重点的に扱う予定のテーマは,(1) プロトタイプ、(2) 百科事典的意味論、(3) 多義性、(4) 隠喩と換喩、(5) 文法の意味的基盤、などである。テーマによってはテキスト以外の文献(例えば同じ著者のCognitive Grammar)を併用する。認知言語学に関する予備知識は前提としない。基本文献表は初回に配布する。テキストがすぐには入手できない人はこちらで用意する最初の数章のマスター・コピーを利用されたい。成績評価は平常点およびレポートによる。 テキスト: J. R. Taylor (2003) Linguistic Categorization. Oxford University Press. 科目名 言語学演習 「認知文法研究」 担当教官 西村 義樹 学期: 冬 2単位 曜日・時限 未定 下記の書物を一応のテキストにして、認知文法の言語理論における位置づけ、理論的基盤と特徴、この理論による重要な言語現象の具体的分析、等を詳しく検討する。認知文法に接するのは初めてでもよいが、「言語とカテゴリー化」で扱う程度の知識は身につけておくことが望ましい。テーマによっては他の文献も併用する。評価は平常点とレポートによる。テキスト以外の文献のマスター・コピーはこちらで用意する。 テキスト: J. R. Taylor (2002) Cognitive Grammar. Oxford University Press. 参考書: R. W. Langacker (1990) Concept, Image, and Symbol. Mouton de Gruyter. R. W. Langacker (1999) Grammar and Conceptualization. Mouton de Gruyter. ▲
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| 2005-02-21 21:22
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2005年 02月 21日
●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2005年)
http://www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html#naiyou ─── 認知言語学 I(談話分析)(火・午後6時〜7時20分) 池上嘉彦(昭和女子大学教授・東京大学名誉教授) 「談話分析」でいう「談話」(discourse)とは、具体的な場面で使用の言語表現(language in use)ということで、会話に限られるものではない。同様の概念は「テクスト」(text)という用語で指されることもあり、従って「テクスト言語学」(text linguistics)と呼ばれる分野と多く重なるし、また、具体的な場面での言語使用を扱うという点では、「語用論」(pragmatics)とも深く関係する。前年度は下記のテキストの第1部「理論と背景」の第1〜3章(海外および国内における伝統的なアプローチに関わる部分)を取りあげた。本年度はそれに続いて、第1部、第4章「広がる研究領域」から、第2部「分析」、第3部「意義と展望」の部分を取りあげる。近年、急速に増えているこの分野の入門書、研究書から適時補充しながら、講義の重点はとりわけ、この談話レベルにおける日本語話者好みの特徴的な振舞いは何かという問題を類型論的に考察するというところに置いてみたい。 <テキスト> 泉子・K・メイナード『談話分析の可能性−理論・方法・日本語の表現性』(くろしお出版、1997) <関連参考書目> R.de Beaugrande and W. Dressler『テクスト言語学入門』(紀伊國屋書店、1984〔1981〕)、U. Connor : Contrastive Rhetoric(Cambridge、1996)、N. J. Enfield, ed.: Ethnosyntax(Oxford、2002)、池上嘉彦『「する」と「なる」の言語学』(大修館書店、1981)、「言語における<主観性>と<主観性>の指標(1)、(2)」、『認知言語学論考』No.3(2003)、No.4(2004)、G. Leech『語用論』(紀伊國屋書店、1987〔1983〕)、泉子・K・メイナード『情意の言語学』(くろしお出版、2000)、『談話言語学』(くろしお出版、2004)、C.L.Modor and A Martinoviczic,eds; Discourse across Languages and Cultures(Amsterdam、2004)、M. Toolan, ed. : Critical Discourse Analysis(London、2002)、「シリーズ認知言語学入門」第5巻:中村芳久編『認知文法論 II』(特に第1章、第7章)と第6巻:大堀壽夫編『認知コミュニケーション論』(大修館書店、2004) ─── 認知言語学 II(認知文法研究)(月・午後6時〜7時20分) 西村義樹(東京大学助教授) 下記の書物を一応のテキストにして、認知文法の言語理論における位置づけ、理論的基盤と特徴、この理論による重要な言語現象の具体的分析、等を詳しく検討する。テーマによっては他の文献も併用する。テキスト以外の文献のマスター・コピーはこちらで用意する。(テキストがすぐには入手できない方のために最初の数章のマスター・コピーを作っておく予定。) <テキスト> John R. Taylor(2002)Cognitive Grammar. Oxford University Press. <参考書> Ronald W. Langacker(1990)Concept, Image, and Symbol. Mouton de Gruyter. Ronald W. Langacker(1999)Grammar and Conceptualization. Mouton de Gruyter. John R. Taylor(2003)Linguistic Categorization.Third Edition. Oxford University Press ─── 認知言語学 III(言語類型論) (水・午後6時〜7時20分) 大堀壽夫(東京大学助教授) 世界の言語は多様な構造をもっているが、その異なりはランダムではない。言語について本質的な考察をしようと思えば、多様性の中から何らかの一般的特性を明らかにする必要がある。そのためには、人間に共通する概念プロセスやコミュニケーションのあり方を視野に入れることが可能であり、またおそらく必要である。言語類型論と認知言語学の関心は、この点において重なる。本講義では、言語類型論の背景を示したのち、語順、格標識、文法関係、他動性、時制、叙法、複文といった類型論の主要テーマを取り上げる。その後、より新しい成果(品詞カテゴリー、空間認知、情報構造等)に関心を向ける。認知言語学の基本概念についても、必要に応じて説明する。方法論的な問題にも注意を配り、英語などのよく知られた言語について行われる一般化がどのような問題をはらんでいるか、具体例を検討しつつ考える機会も設けたい。なお、特にこの分野についての予備知識は前提としない。 <教科書> 指定なし <参考書> 大堀壽夫. 『認知言語学』. 東京大学出版会. バーナード・コムリー. 『言語普遍性と言語類型論』. ひつじ書房. 角田太作. 『日本語と世界の言語』. くろしお出版. 柴谷方良. 「言語類型論」, 『英語学の関連分野』所収. 大修館書店. Lindsay Whaley. Introduction to Typology. Sage. Jae-Jung Song. Linguistic Typology. Longman. William Croft. Typology and Universals. Cambridge UP. ▲
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| 2005-02-21 20:54
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2005年 02月 18日
現代日本語学概論 2006年
◇講義題目: 認知言語学の諸相 ◇担当教員: 籾山洋介 (木・2、総609) ◇授業内容: (1) 狙い 認知言語学の基本的な考え方、中心的な概念、諸理論を学び、言語研究(特に「意味」に関係すること)の問題設定の仕方、研究方法を身につける。 (2) 主な内容 1.認知言語学の基本的な考え方 「認知」「認知能力」とは何か/他の言語理論(構造主義言語学・生成文法・真理 条件意味論など)との違い/基本的な概念/意味の考え方 2.認知言語学における類義表現の分析 同一の対象に対する様々な異なる捉え方(construal/imagery)に基づく類義表現の 意味の異なり 3. 意味拡張の仕組みと多義性 メタファー・メトニミー・シネクドキー/主体化(subjectification)/文法化 (grammaticalization) 4. 概念メタファー 概念メタファーの諸相/不変性原理(invariance principle)/プライマリーメタファー 現代日本語学概論 2005年 ◇講義題目: 認知言語学の諸相 ◇担当教員: 籾山洋介 (名古屋大学大学院・国際言語文化研究科) ◇授業内容: (1) 狙い 認知言語学の基本的な考え方、中心的な概念、諸理論を学び、言語研究 (特に「意味」に関係すること)の問題設定の仕方、研究方法を身につける。 (2) 主な内容 1.認知言語学の基本的な考え方 「認知」「認知能力」とは何か/他の言語理論(構造主義言語学・生成文法・ 真理条件意味論など)との違い/基本的な概念/意味の考え方 2.認知言語学における類義表現の分析 同一の対象に対する様々な異なる捉え方(construal/imagery)に基づく 類義表現の意味の異なり 3.概念メタファー 概念メタファーの諸相/不変性原理(invariance principle)/プライマリーメタファー 4.メトニミー 活性化領域(active zone)/参照点構造/フレームと焦点化 5.認知言語学の諸理論 使用依拠モデル(Usage-Based Model)/構文文法/メンタル・スペース/ アフォーダンスなど http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/syllabus/05.html ▲
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| 2005-02-18 00:00
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2005年 01月 27日
●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2004年)
http://web.archive.org/web/20040606184620/http://www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html ●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2003年) http://web.archive.org/web/20030412180345/www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html ●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2002年) http://web.archive.org/web/20021012113818/www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html ●東京言語研究所 理論言語学講座 講義内容(2001年) http://web.archive.org/web/20020206062223/www.tokyo-gengo.gr.jp/naiyou.html ─── 認知言語学 I(談話分析)(火・午後6時〜7時20分) 池上嘉彦(昭和女子大学教授・東京大学名誉教授) これまで、この講座であまり取りあげられることのなかった「談話分析」(discourse analysis)ないしは「テクスト言語学」(text linguistics)と呼ばれる分野を広い視点から扱ってみたい。この分野でいう「談話」ないしは「テクスト」とは、話し手、聞き手(とりわけ、彼らが言語使用との関連で行うあらゆる認知的な営み)を含めての現実の具体的な場面で用いられた−つまり、場面から切り離して考察の対象とされるのではない−言語表現(language in use)(そのサイズや長さは関係ない)ということで、これらの条件が典型的に満たされる会話のような場合から、想定される読み手が難解な詩からどのような意味を読みとりうるかといった場合にまで及ぶ。十分想像できるように、日本語はそのごく日常レベルでの使用からして場面依存的に機能する傾向が顕著で、実際に使われる言語表現の文字通りの意味を越える意味のやりとりが絶えず起こる−従って、コミュニケーションの成立に、言語使用者の認知的な営みが深く関与する−ことになり、その意味で「談話」、「テクスト」レベルの研究では、大変興味ある対象である。テキストとしては、日本語の例が多く、日本における研究にも言及している下記のメイナード(1997)−著者はアメリカの大学で長らく日本語学を教えている日本出身の女性−を持ってもらい、必要に応じて翻訳を通しての対比も行いながら、特に「視点」(perspective)との関連での「事態把握」(construal)の概念から、「発想(の違い)」や「言語のイデオロギー」(language ideologies)と呼ばれる問題にも及んで考察してみたい。 <テキスト> 泉子・K・メイナード『談話分析の可能性−理論・方法・日本語の表現性』(くろしお出版、1997) <関連参考書目> R.de Beaugrande and W. Dressler『テクスト言語学入門』(紀伊國屋書店、1984〔1981〕)、U. Connor : Contrastive Rhetoric(Cambridge、1996)、N. J. Enfield, ed.: Ethnosyntax(Oxford、2002)、池上嘉彦『「する」と「なる」の言語学』(大修館書店、1981)、『ことばの詩学』(岩波、1982)、『自然と文化の記号論』(放送大学教育振興会、2002)、G. Leech『語用論』(紀伊國屋書店、1987〔1983〕)、森田良行『日本語文法の発想』(ひつじ書房、2002)、B. B. Schieffelin et al., ed.: Language Ideologies(Oxford、1998)、P. Stockwell : Cognitive Poetics(London、2002)、M. Toolan, ed.: Critical Discourse Analysis(London、2002)、「シリーズ認知言語学入門」第5巻:中村芳久編『認知文法論 II』と第6巻:大堀壽夫編『認知コミュニケーション論』(大修館書店、2004)の中のいくつかの章。 ─── 認知言語学 II(言語とカテゴリー化)(月・午後6時〜7時20分) 西村義樹(東京大学助教授) 本年度は下記の書物をテキストにして、言語とカテゴリー化の関係を多角的に考察する。最初の数回で認知言語学を初めて本格的に学ぶ方々のためにこの理論の全体像を簡単に紹介した後に、テキストに沿って話を進める。特に重点的に扱う予定のテーマは(1)プロトタイプ、(2)百科事典的意味論、(3)多義性、(4)隠喩と換喩、(5)文法の意味的基盤、などである。テーマによってはテキスト以外の文献(例えば同じ著者のCognitive Grammar)を併用する。認知言語学に関する予備知識は前提としない。基本文献表は初回に配布する。テキストがすぐには入手できない方はこちらで用意する最初の数章のマスターコピーを利用されたい。 <テキスト> John R. Taylor(2003)Linguistic Categorization.Third Edition(Oxford University Press.) ─── 認知言語学 III(認知言語学とコミュニケーション研究) (金・午後6時〜7時20分) 大堀壽夫(東京大学助教授) 本講義では、(1)認知的アプローチによる言語理論の概観、(2)これまでの言語研究の再検討と認知言語学の応用可能性の模索、の二点をテーマとする。第一学期は、下記の教科書を使って、(1)のテーマを中心に行う。全般的な導入に続いて、カテゴリー化(プロトタイプ、基本レベル)、メタファー、事象構造などについて論じる。第二・第三学期は、主としてプリントを使って、(2)のテーマに取り組み、新旧のケーススタディーを見ていく。考えられるテーマは、メタファーの応用研究、言語相対論(サピア=ウォーフの仮説)、談話の対照研究(結束性、情報構造、エピソード構成)、認知発達と言語習得、などである。第一学期から受講する場合は、予備知識等は前提としない。第二・第三学期は認知言語学、もしくは意味論・語用論に重点をおいた言語学の概説を前提とする。 <教科書> 大堀壽夫『認知言語学』(東京大学出版会) <取り上げる研究(候補)> Holyoak and Thagard, Lakoff, Sapir, Whorf, Lucy, Slobin, 野村, Imai and Gentner, 池上, Halliday and Hasan, Talmy, Ochs, Tomasello, Snow などから選ぶ。この他、大堀壽夫(編)『認知コミュニケーション論』(大修館書店)も随時参照するが、クラスにて割引で購入できるようにするので、事前に用意する必要はない。 ▲
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| 2005-01-27 23:09
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